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集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対する声明

日本国内閣総理大臣 安倍晋三 殿

集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対し、その撤回を求めます

2014年7月1日、貴内閣は集団的自衛権行使容認を閣議決定しました。  

私たちは、この閣議決定は、日本国憲法前文に明記された恒久平和主義と憲法第9条の「戦争放棄、武力による威嚇又は武力行使の放棄」に違反し、戦後の歴代内閣によって確認されてきた他国の戦争に参戦出来ないという憲法解釈を逸脱することが明らかであることから、この決定に反対し、撤回することを強く求めます。

日本国憲法は、かつての日本が犯した侵略戦争に対する深刻な反省に立って、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を3大原則としてきました。そして、日米安全保障体制においても、専守防衛が堅持され、戦後70年間、自衛隊海外派遣等でも戦死者を出すことを免れてきました。然るに、今回の貴内閣による集団的自衛権に関わる憲法解釈の変更は、従来の専守防衛の域を越え、他国の戦争に参与することを可能にするものです。このことは、平和憲法の理念を踏みにじる行為であるだけでなく、国民の意思を問わずに一内閣によって憲法解釈を変えること自体が、重大な憲法違反であると指摘せざるを得ません。

私たち基督教共助会は、1919年、明治政府の初代文部大臣森有礼の子である森明牧師によって創立され、主イエス・キリストの十字架による贖罪の信仰に立ち、キリストの命ぜられた平和を実現する同志的伝道団体として96年の歩みを続けてきました。

しかし、私たち共助会も又、近隣諸国に対する先の侵略戦争や神社参拝強要に反対することもなく、キリスト者として間違った道を歩んだという過去を負っています。だからこそ、二度とこのような過ちを繰り返さないために、神様から与えられた平和を実現する「見張り役」としての務めを全うしたいと願っています。

主イエス・キリストは、「剣を取る者はみな剣で滅びます」(マタイによる福音書 26章52節)と警告しています。武器を取る戦争は、決して真の平和をもたらすことなく、怨みと敵愾心を拡大させ、際限のない戦いに進ませます。

私たちは、キリストの十字架による罪からの救いと、それによってもたらされる愛と和解こそが、真の平和を創り出す力となることを信じています。

以上の理由から、私たちは、貴内閣が一刻も早く集団的自衛権の閣議決定を撤回し、日本国憲法の平和主義の理念に立ち返る政治を行うことを強く求めます。

2015年4月2日

基 督 教 共 助 会