ひろば

出会い 林 貞子

住んでいます老人施設で月一回、聖書の勉強会をしています。テキストは五人が会員であります日本改革派千里摂理教会の吉田 謙牧師が語られた説教を用い、三か月に一回は牧師に来ていただくという形で15年余り続いています。この集まりに、クリスチャンではない上田哲司さんが参加されていました。キリスト教には批判的な発言をされて、難病の夫人を「神様が居られるならこんなに良い人であるちづがどうしてこんな難病で苦しまねばならないのか」にこだわり続けていられました。他方私たちとの交わりを、此処へ入ってこんな出会いが持ててほんとによかったと喜んでくださっていました。毎週、礼拝の説教原稿を「押し付けでごめんなさい。捨ててもらっていいんですよ」と言いつつ届けていましたが、毎度「捨てられまっかいなあ」と言われ、最後にお会いした時も、寝ておられるベッドに原稿が置かれていました。

常々「こんなちづを置いては死ねんのです」と言われていましたが、ちづさんを置いて肺がんで5月に他界されました。ご葬儀に伺いましたが、「坊さんいらん、戒名いらん」のご遺言と聞きました時に、私は全くの勝手ながら哲司さんの誠意を感じ、イエス様に迎えられなさったと思いました。

暗い部屋に、目をつぶって横たわっているちづさんを毎日とはいきませんが少しの時間お訊ねしてきましたが、入院一か月となります。個人情報を理由に病状も病院名も教えてもらえません。   (日本改革派 千里摂理教会員)