2022年度 基督教共助会 夏期信仰修養会 主旨文

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主 題 「主が望み給う」

― キリストに在る友情に生きた二人の先達に想いを馳せる ―

◆主題聖句

「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。」(ヨハネによる福音書15章13節・1954年改訳)

◆主旨文

心に深く残る場面があります。ある時、奥田は、師である森に問います。「何故に主イエスを信ずるか」と。森が答えたその時の様子を、奥田は次のように記します。「先生はあの主をなつかしむような、うるんだまなざしを以って、『主がそうすることをのぞみ給うからだ』と答えられたのを覚えて居ります。如何に先生の恩寵の経験が愛の純粋性の深みにまで聖別されていたのかを深く思うのであります」と。(『恐れるな、小さき群れよ ― 基督教共助会の先達たちと森 明』70頁)

2019年、創立100周年を迎えた私たちは、様々な機会を用いて先達らが歩んだ信仰の道を尋ね、その歩みを追って来ました。共助会の歴史に名を連ねた先達らの心に宿った祈り、それは「キリストの他、自由独立」を土台としつつ、その交わりの根幹をなす「主に在る友情」に生きることでした。基督教共助会を世に送り出した森明の祈り、生涯を京都伝道に捧げた奥田成孝の祈りを思います。私たちはこれら二人の先達の生き死にの歩みを今一度振り返り、二人の内に宿るキリストの十字架の贖いへの感謝と復活の希望に共に与りたいと願うのです。

その任を負う二人の友が与えられました。『森 明著作集』初版の編集実務に携わり、『同 第二版』では中心的な働きをなされた安積力也氏であり、また、奥田成孝との交わり深く、現在の北白川教会信徒代表として働かれている片柳榮一氏です。お二人の講演を通し、森、奥田両先達から学び得たもの、継承すべきことどもを分かち合うことが出来ればと思います。

奥田は、その師 森について以下のようにも述べます。「確かに……イエスと弟子との人格的な交わりの経験を、或る意味で先生と私共との間に経験せしめられたという事が言えると思いますが、決してそれは森先生中心に事がとどまらなかったということであります。……絶えずキリストの聖愛に対して自らを聖別された先生との交わりはいつしか先生の姿は背後に退いて、私共の魂の面前にはキリストの姿があざやかにならしめられつつあったというのが私共の経験であったのであります。」(『前掲書』74頁)

世に目を留める時、日本を取り巻く国際情勢のみならず、中国、香港、ミャンマー、ウクライナで、信じることの出来ない出来事が起き、歴史の針は逆戻りを始めています。この現実を前に、私たちに問われていること、そしてどこに向かって進むべきかをも語り合いつつ、祈りを合わせたいと思います。