『SMJ中高生キャンプ参加報告』垣内知恵子(かきうち・ちえこ)
宮城学院中高等学校教諭
この度米国日本人特別牧会(SMJ)のご支援により、東日本大震災被災地の宮城から八名の中高生、福島から二名の中学生が七月十九〜三一日までニューヨーク近郊で行われたディスカバリーキャンプに参加する機会をいただきました。
SMJ主催による米国在住日本人の子供達のキャンプで三二回目の開催となる今年は、キャンパーとリーダー計三五名が一つ屋根の下二週間を共に過ごしました。毎朝のラジオ体操、礼拝、聖書の学び、アート作品の作成、スポーツ、海水浴、グループ対抗の騎馬戦等盛沢山の活動に十一〜十六歳までの子供達が協力しながら取り組みました。
押し寄せる津波から自宅の屋根で一命を取り留めた一人は震災後海を見るのは今回が初めてでした。毎日海で泳ぎ、海釣りでは鯛を二三匹も釣り上げた時は満面の笑みでした。
キャンプ場の全てのキャンパーが集うタレントショーでは、津波と福島の原発事故後の体験を二名の参加者が証をする機会が与えられました。幼い現地の子供達も静かに二人の話に聞入っていました。震災後世界中から頂いた支援に対する感謝の気持ちを伝えたいという思いが届けられました。
このキャンプは様々な違いを超え個性を発見し絆を深めた二週間となりました。以下参加者の感想を引用します。
『中でも一番の思い出はグループ対抗のオリエンテーリングやタレントショーのような誰かと協力して活動したものです。国籍、性別など関係無く一つのゴールを目指し協力していくことが私には嬉しく思えました。』
『キャンプでは、毎日海で泳ぎ、ロッククライミングや海釣りにも挑戦しました。今までの私なら、(どう見られているかな?出来なかったらどうしよう)などと思い、怖気づいて遠くで見ていたと思います。現地の子の大らかで何事にも挑戦する姿に憧れを抱き、私も小さいことで悩まずに、目の前にある様々なことにどんどん挑戦したいと思いました。また、キャンプで日本に興味を持ち、これから日本語の勉強を頑張ると話してくれた子もいました。私達だけが現地の子から様々な学びを貰うだけでなく、相手に与えることも出来たということがとても嬉しかったです。キャンプで出会い二週間を共に過ごしたみんなとは、一生の友達になれました。』
キャンプ後アメリカ人家庭にお世話になりNY観光も満喫しました。日曜礼拝では直接震災の様子をお伝えし、被災地への祈りを頂くことが出来ました。
帰国前日、日米合同教会やSMJの方々が歓送会を開いて下さり、被災地を思い祈りながらこのような機会を実現して下さった皆様のお心に触れ、参加者一同感謝の思いで一杯となりました。
最後にこの素晴らしい出会いを与えて下さった主に感謝し、SMJ、日米合同教会、日本基督教団東日本救援対策本部、宣教協力学校協議会の皆様のご支援に心より御礼申し上げます。
(『教団新報』より転載)