ひろば

【支援のお願い】ミャンマーの友人Sさんの活動を支えてください 阿部真希子

11月に入り、澄んだ空気や色づいた街路樹に秋を感じます。

皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

さて、このたびミャンマーのことを覚え、募金活動を始めたのでお知らせいたします。以下、長くなってしまいましたが、読んでいただけると幸いです。

《Sさんとの出会い》

初めてミャンマーの友人Sさんに出会ったのは、2017年、アジア学院で学んでいる時のことでした。家族と離れ、気候も食べ物も文化も異なる日本での9か月間の研修は決して楽なものではなかったと思いますが、彼はいつも屈託のない笑顔で誰とでも話し、好奇心旺盛で、学ぶ意欲に溢れていました。研修が終わる頃、私はいつか彼の住む場所を訪ねられたらと、何気なく、空港からどのくらいかかるのかと聞きました。その答えは「二日」。……予想外の遠さにしばらく絶句してしまいました。そして、生きているうちの再会は難しいかもしれない…と真剣に思いました。

ミャンマーへの旅 そして……

ところが、彼に会うチャンスは意外と早く巡ってきたのです。2020年1月、教会の友人に紹介され、途上国で無料診療を行う韓国人ご夫妻の活動に加わらせて頂くため、ヤンゴンに降り立ちました。数日間の活動の後、Sさんと同郷の卒業生Mさんを頼りに、西部の山岳地帯に向かいました。飛行機を利用したので、二日はかかりませんでしたが、それでも一日がかりで彼らの住むK市に着きました。国内三番目に高い山を有する国立公園がある美しく静かな場所でした。Sさんの家族にはすぐ会えましたが、Sさんは単身赴任のような生活をしていて、町にはいませんでした。私の滞在中に戻ってくる予定でしたが、ちょうど所属団体の支援者が外国から来ていて、案内をしなければならず、残念だけど会うのは難しいという連絡が来ました。自由に動けるのはあと一日、という中で迷いながらも、私はMさんに、どうしてもSさんに会いたいと話しました。すると彼は二つ返事で引き受け、私をバイクの後ろに乗せ、往復10時間かけてSさんの事務所に連れて行ってくれました。そうして、Mさんの勇気と深い友情に支えられて、ついにSさんと再会を果たすことができたのです。久しぶりに会った彼は、相変わらずの気さくな笑顔で、日に焼けており、NGOワーカーとして精力的に働いている様子でした。友人を訪ねる旅は、どんな美しい場所や美味しい食べ物にも勝ると、改めて実感し、一人一人との交わりに感謝しつつ帰国しました。新型ウイルスが猛威を振るい始める直前の旅で、今思えば奇跡というしかありません。

《2021年2月 ミャンマー情勢が一変》

ご存知の通り、今年2月、国軍によるクーデターが起き、ミャンマーの人々の生活は大きく変わりました。友人たちのSNSには、即座に三本指で国軍に抗議を表す写真や、デモの動画が挙げられましたが、弾圧の激化と通信の遮断により、全く連絡が取れなくなり、彼らの安否に気をもみました。その後、再び連絡が取れるようになると、彼らから多くの写真や記事が送られてきました。燃やされた国立公園の木々、自宅で殺された罪のない市民と、軍に荒らされた教会等々、私が訪れた平和な時からは想像もできない、変わり果てたK市の様子に大きな衝撃を受けました。国軍と、民間で組織された自衛軍の衝突が激化し、戦争地帯となってしまった町からは、ほとんどの人が逃げ出し、州境の修道院やジャングルに近い場所でテントを張るなどして、難民生活を強いられています。国連関係者すら容易に立ち入ることができないとのことで、Sさんのような地元の有志が、食料などを自ら背負い、必要な人々に届けているようです。国軍は、そのような動きを快く思っておらず、見つかれば逮捕される危険もあり、活動は匿名で軍の目を盗んで続けられています(そのため、文中でも個人の特定につながるものは伏せています)。

本来は、隣近所と家族同然に助け合い、厳しい自然に囲まれながらも、地の利を生かして、長く農業を基盤とした生活を営んできた人々が、自給することも叶わず、住居を追われて避難生活を送らなければならないことに、深い悲しみを覚えます。お金を送ることは一時しのぎにしかならず、技術や知識を学ぶことにより地域の自立を目指すアジア学院での学びにも反します。

しかしながら、現に今、困窮している多くの人々のこと、困難な状況下でも他者と共に生きる姿勢を崩さない友人のことを覚え、少しでも支えたいという思いから、活動をはじめました。

10 月末には、寄付総額が28万4066円となり、第一回目として、その内の22万6千円を送らせて頂きました。11月からは、困難な地域に住む他の卒業生に対しても支援を広げる予定です。人々が本来の生活を取り戻す日まで、細々とでも長く続けていきたいと考えています。

振込先など、詳細について

・頂いたお金は全額、在日ミャンマー人のアジア学院卒業生を通して現地の卒業生に送金します。

 《参考》1000円あれば約25㎏のお米(5人家族なら約1週間)、6000円あれば、難民キャンプで一人の人が一か月間生活できます。

(食費、衛生用品、医療費含む。ただし、宿泊費が無償の場合)

・振込先:ソニー銀行 支店名(店番号)

本店営業部(001)

口座番号:普通3306902

お祈りとご支援を、どうぞよろしくお願い致します。(2021年11月)

(浜松バプテスト・キリスト教会員)