松本共助会1月・2月例会報告 報告者:下山田誠子

・日時 1月30日(月)10時~12時 松本中央図書館にて

・司会 重松さん 出席者7名

・テキスト『日本人にとってキリスト教とは何か』若松英輔著 最終章7章 愛について

カトリックのキリスト教文学者遠藤周作の『深い河』に沿っての考察である。日本的霊性、日本に特化した土壌とは何かについて常に考えさせられたが、このテーマでは未消化のままであった。欧州から輸入されたキリスト教ではなく、この東洋日本の土壌に根ざしたキリスト教について、皆それぞれ考えさせられた。

長らくメンバーであった上條千代さん(93歳)柴野道夫さん(86歳)が相次いで召されて淋しい限りである。

・日時 2月20 日(月)10時~12時 松本東教会にて

・司会 下山田誠子 出席者11名

・1月までのテキスト『日本人にとってキリスト教とは何か』若松英輔著

 ― 遠藤周作『深い河』から考える ― の総まとめと感想を皆で語り合った。作者若松氏が最初に提示した問いは「日本人とは何か?」「日本的霊性とは?」伝統的仏教の土壌にキリスト教の死生観は受け入れられるのか。作者は遠藤周作の晩年の長編『深い河』を追いつつ異文化との対話をすすめている。

クリスチャンでない家族の葬儀やお墓の問題から日本的土壌に接木された宗教を信じる矛盾、苦しみはないのか。愛されたことを実感する故に他者を愛したいと願い、許された感謝を実感するゆえに他者を許したいと祈る。普遍的絶対神に依り頼む。カトリック信者の遠藤の作品には糾弾の言葉がない。読了してプロテスタントとカトリックの違いなどに拘わらず、信仰の本質を考えさせられた。