松本共助会・報告

松本共助会2・3月例会報告  報告者:下山田誠子

2月例会

2月29日(木曜日)  松本中央図書館にて

出席者8名 リモート1名  計9名

テキスト『幻の村―哀史・満蒙開拓団―』

手塚孝典著 早稲田大学出版部

レポート:柳谷牧師

先月から読み始めたこのテキストは第2章〝忘れられた少年たち〟に入った。国策として送り出された少年たちは貧しさから家族を助けるために出願したもの、閉塞状況から少年らしい夢と理想を抱いて志願したものなど。長野県北部から200名が満州に渡り、軍事訓練や農業開拓の訓練に励んだ。その土地は既に中国人が耕作していたとの罪の認識はなかった。ソ連の

侵略で逃避行。半数が生命を落とした。送り出した教師たちの苦悩も測り知れないものがあった。老い当地を訪れた人の深い感慨も胸を打つ。

3月例会

3月14日(木) 2時~4時 松本中央図書館にて

出席者9名。

思いがけず長年のメンバーであった西村さんが出席され、皆驚き感謝した。

テキスト『幻の村―哀史・満蒙開拓団―』3章 帰郷の果て手塚孝典著 早稲田大学出版部

若者がインタビューした帰国者の苦難と哀しみ、そして怒りがつづられている。国策に翻弄された人たちが国の責任を問う裁判を闘ったこと。苦労の末、生き延びて帰国したものの、生活も言葉もたちゆかなくなっており、日本の祖国は私たちを見捨てたのだと唇をかむ思いが記されている。中国との国交断絶、戦後35年以上経っての残留孤児(婦人)の訪日調査は余りにも遅すぎて判明は更に困難になった。帰国をはたしても住むところなく、さらに山に開拓に入らざるを得ない状況であった。そしてそこで福島原発事故でさらに、立ち退きを迫られることになった。老人の「泣いても泣ききれない」思いがつづられている。帰郷の果てはまことに哀史という他ない末路であった。皆、胸痛み、やりきれなさに言葉を失うほどであったが、天皇(天皇制)も大いに話題になった。