新しいことの芽生え(2008年9月号) 尾崎風伍 

 夏期信仰修養会が終わりました。秋が来ます。2009年は共助会創立90周年の年。キリスト教共助会では、この5月の総会で90周年記念事業の計画が承認されました。このことは既に本誌 月号の速報でお知らせしたとおりです。夏の修養会そのものがこの記念事業の一環でしたが、秋になると「基督教共助会九十年史」の発刊や過去の雑誌『共助』から採録・編集した「説教集・論文集(まだ仮の表現)」の出版も本格的な準備に入ります。

 けれどもこれは、共助会の歴史が10年の節目を迎えるから、新しいことを始めようというのではありません。むしろ私たちの計画よりも事柄が先行して、既に「新しいことの芽生え」が始まっておりました。今夏の修養会には、朴炯圭・高俊明の両雄がそれぞれ韓国と台湾から、いずれも極めて困難なご事情のある中、あえて共助会のために来日され主題講演・と・の責任を担ってくださいました。夏の全国規模の信仰修養会で二回の主題講演を二回ともアジアの友人に立っていただくということは、共助会の歴史上初めてのことではなかったでしょうかそしてこのような今夏の信仰修養会の基本構想は、実は昨年10月にソウルで行われた韓日基督教共助会合同修練会最終日の懇談会で提案されたものでした。話の口火を切ったのは佐伯勲さんだったと思いますが、最初から全体の雰囲気は「今まで日韓両共助会は、共通の信仰的基盤に結ばれたお互いの志を確認し合ってきた。今度は両共助会共同で、アジアの平和のために外に向かって呼びかけていこう」という方向を向いていました。そして、「次の合同修練会は五年後だが、その前に合同修練会とは別に、外に向かって呼びかける集会を日本でやろう」と提唱されたのは他ならぬ朴炯圭氏でした。このとき高俊明氏のお名前も上がっておりました。

 既に昨年の秋から新しいことが芽生えています。私たちを目覚めさせ私たちの計画を先導する、神備えたもう新しいことが。

《あなたたちは喜び祝いながら出で立ち 平和のうちに導かれて行く。》(イザヤ書55・12).