発題と応答

【発題2】松本共助会について  下山田誠子

混迷を深めるこの時代、戦争の終結に私たちは何ができるだろうか、と日夜考えざるを得ません。

プロローグとして、孫たちの姉弟げんかのお話をします。

受験が迫り、数学のテストが良くなかった姉が朝食の後、静かにテレビを観ていた小さな弟の頭をコツン、足をポンと蹴って、ちいさな弟を泣かせたエピソードです。〝ボクが何もしないのにお姉ちゃんが……〟と大泣き。ママもいつもの姉弟げんかだろうと、家事をしておりました。この理不尽な姉の仕打ちに、弟は大声で訴え、泣き続けました。私もかわいそうと思いつつも、見守っておりました。声が枯れるまで泣いた頃、ママがやって来て弟を胸に抱きしめていました。「お姉ちゃん数学が出来なかったんだって……」と。夕食にお姉ちゃんが降りてきて、弟の頭をちょっとなで「ハヤトごめんね」と言いました。弟は朝のことをもう忘れていたのでしょうか、仲良く食卓について普通に食事をしたのです。

理不尽なこと、赦し難いことがなんと多いことでしょう。双方の言い分を聞いてジャッジしたらよいのでしょうか。私も理不尽をいつまでも許せず、寛容な心を失ってしまいます。もう母もいなくて幼な子の心もありません。イエスさまの懐に飛び込ん訴えて泣くほかありません。イエスさまの愛に触れて気持ちが柔らかくなると、問題解決に落ち着いて向かうことができます。

今次の戦いにこんなことは何の役にも立たないことでしょう。しかし、落ち着いて穏やかにならなければ、何事も始まりません。

松本共助会は長年、文学作品を読むという集まりでした。韓国の方々との交わりを通し近現代史に目を開かれて行き、そういう学びも取り入れてきました。知らなかったこと、申し訳なかったこと、許して頂きたいことなど、読書や見学を通して少しずつ学んできました。自由で、緩やかにつながる集まりでありたいと思っております。 (松本共助会)