随想

【感想】韓国訪問 伊吹由歌子

韓国訪問 伊吹 由歌子

2019年6月10日、羽田空港で飯島さん、下山田さんなど数人の方々と出会い、ソウルへ出発した。1992年にはじめて訪問した韓国。当時はまだ日本で学ばれた先生方がお元気でご活躍のころだった。今回は香隣教会が会場を提供してくださり、新しい世代の方々と修練会を持つこととなっている。今日の夕食は洪 彰義(ホンチャウィ)先生が、一同をご招待くださるとのことである。昨年、飯島委員長と金 美淑(キムミスク)さんが準備のための訪韓では、明日は大邱で、尹 鍾倬(ユンジョンタク)先生ともお会いできそうとのことである。

昼ごろホテルに到着。香隣教会にも近く、明洞もすぐ、と足場が良いモダンなホテル。セブン・イレブンが隣接しており、写真のコピーを取りたい私には朗報だった。初めて姜 信範(カン シンボム)先生(提チェアム岩教会牧師)と李 英環(イ ヨンファン)夫妻が来日してくださっおり、奥田先生、清水二郎などが共に写った写真、和田 正先生の教会の献堂の記念写真などを、両親の遺品から見つけて持参しており、大きく鮮明なコピーを両先生に差し上げたかった。ところが韓国のコンビニではコピーはできないという意外な発見をした。うかつだった。困ったが、15時開始のプログラムで香隣教会に伺い、偶然、隣の席になった朴大信牧師が、一枚ずつをスマホで撮り、香隣教会牧師のメールに添付で送り、洪彰義先生にも差し上げてくださるとのこと。朴 大信先生は現在の松本東教会の牧師でいらっしゃる。私は、及川 信先生、先生が脳梗塞で倒れ別の教会に移られたのちに本城仰太先生と、二度も松本東教会にお願いし、来ていただいた中渋谷教会の会員である。松本東教会のみなさまに申し訳ないにも余りある思いでいる私にとっては、神様の御手を感ぜずにはいられない出会いをさせていただいた。

日本側の共助会メンバーの佐伯 勲牧師、飯島 信牧師が、次々と立ってくださり、崔 亨黙(チェ ヒョンムク)牧師の応答、質疑。金 美淑さん、長尾有起さんが、素晴らしい通訳をしてくださった。新しい世代の通訳さんたちそれぞれの主にある大きなお働きと、自由自在な通訳ぶりに、賛嘆し心から感謝する。洪 彰義先生との楽しい夕食後は李 相剄(イ サンキョン)牧師も交流会の通訳してくださる。

6月11日、「韓日の希望ある明日を迎えるにあたって」という題で、韓国NCC和解・統一局長の辛 承民(シンスンミン)先生がご講演。通訳には、今日一日、日帰りで裵 貞烈(ペ チョンヨル)先生が駆けつけてくださり、大きな友情を示してくださった。日本政府の「謝罪」が韓国の方々の心に響き、届いていないとの辛先生のご指摘。質疑のときに私は心底からの想いで、「本当にそうだと思う。事実へ関心なく、知らない者が口にする謝罪は、相手のこころに届くはずがない。事実を共有することが韓日で大切だと思う」と言わせていただく。上辺だけの謝罪をして「済んだ」とする日本政府は、あまりに人間性に欠けている。「何度謝ればよいのか」「孫子の代まで謝らせるわけにいかない」という言葉。真実を無視した傲慢さは、日本と日本人を辱める。日本政府の方々に気づいていただきたい。共に事実を認識し共有してこそ、一緒により良い未来へ歩きだせると思う。

尹先生は奇跡のように12日意識が戻っておかゆを召し上がり、最上の笑みを浮かべて車いすで登場してくださる。「こんなに沢山来てくださって有難う。」以前お宅を訪ねたこと覚えてくださる奥様と抱き合うと「アイゴー」と泣かれた。でもその後、手紙や電話で連絡をとってくださった朴牧師によると、先生は小康状態を保っておられるそうだ。韓日の友情も先生と共に守られますように。

12日夜と13日午前中は、恵泉女子大の李泳采(イヨンチェ)先生の紹介で、梨花女子大の韓国学生2名、日本人学生1名と、いろいろ話し合うことができ、文通が続いている。