随想

【感想】韓日共助会修練会に参加して 山田 新人(あらんど)

修練会3日目、初めて渡韓した私は飯島委員長の配慮で、案内役の崔 秀蓮(チェ スヨン)さんと二人(写真)でソウル市内を半日観光させてもらいました。そんなに社交的とは思えない崔チェさんに「どうしてこんなに一所懸命、親切に丁寧にしてくれるのですか」と聞きました。「私が初めて日本に行ったとき小笠原先生が10日間泊めてくださった。共助会の人たちが韓国に来たとき、今度こそ私の番だと思った」という答えでした。私はご高名な小笠原先生を直接は存じ上げませんが、崔チェさんを通して触れ感じることが出来ました。きっと深く優しい方だったんだろうと思います。

初日の夕食会で辛 承民(シンスンミン)先生と楽しい時間を過ごしました。私の容姿をからかって「マフィアのようだ」と冗談を飛ばす等々、とにかく場を和ませてくださいました。他の先生方も本当に優しくて紳士でいらして、私が韓国人に抱いていた「感情的な人が多い」という印象は全く崩れました。その辛先生が次の日の講演で講師として登場され、そんな大先生だとは知らずに「なれなれしくし過ぎたか」と冷や汗をかきましたが、前の晩と変わらない優しさで接してくださいました。何より講演の内容に感銘を受けました。前日の崔 亨黙先生もそうでしたが、とても率直に話をしてくださったと受け止めています。嘘が無かった。彼らは韓国と日本がこれからどのように進むべきか真剣に考え、その内容には日本に対する怒りや謝罪要求等は皆無で、私などは日本人として申し訳なく思ってしまうほど、主にあって、誠実なお話・提案でした。直感的に「この人たちとならできるかもしれない」と思いました。ソウルの街中で日本人だと知られたら、それだけで危険かもしれないとさえ思っていた私は、韓国の方々でこういう意見を持っている人がいるのかと驚き、〝知らない〟ことの危険性も再認識しました。他者と交わらなければ何も始まらない。

慰安婦や徴用工の問題をはじめ、韓日の間には様々な軋轢があります。問題の根の深さ故に私は投げやりになっています。もし今回語られた内容を現実に双方の社会へしっかり広めることができるなら、解決へ向かう可能性はあるだろうと思います。その場で中心的に奉仕できるなら、それは人生をかけて挑む価値のある使命だと感じました。閉会礼拝で鄭 元晋先生の「権力に屈しない十字架の意味」を説かれた力強いお話は、僭越ながら今回を締めくくるに相応しい内容だったと思います。

今回事前に資料をお借りし、共助会と韓国の方々との熱い繋がりを読んでから参加しました。加えて「薄れゆく韓日共助会の結びつきを今一度確かなものとして確立し、今後も継承していきたい」という願いもお聞きしていました。しかしながら頭では大切なことと分かっていてもどこか他人事で、自分の問題として深く捉えられない己の心にも気づいていました。初日の夕食会で洪 彰義(ホン チャウィ)先生が来られて、皆さんが感極まりながら記念写真を撮られていた時も、それほどまでは感動できず何か焦りのような感情さえ覚えていました。これらは正直な私の気持ちであり、今でもあまり変わっていません。けれども今回持った交わりを覚えて、胸に芽生えた何かを日々育んでいくような志を持てたとしたら、いつか先人たちの歴史が自分のものとなり、尊敬したい先輩を心から尊敬でき、様々な課題・問題を自分の問題として捉えることができる日を迎えられるかも知れません。耳を澄ませば聞こえてきそうな、舌っ足らずのかわいらしい崔秀蓮さんの日本語がそう予感させてくれる今回の旅でした。出会えた皆さまに感謝いたします。