研修会に参加して 濵田史子
研修会に参加して 濵田 史子
飯島さんのお話より。全盲で耳が聞こえず話すことができないBさんが、人差し指でゆっくり丁寧に書く一文字一文字がいかに大切か、彼女の世界を知ったとおっしゃっていました。「いまのきせつは?」「ふゆ」。「いまはなんがつ?」「じゅういちがつ」。想像しました。見えない、聞こえない、話せない自分を。今までヘレン・ケラーとか、映画『ジョニーは戦場へ行った』に登場する戦争で視覚、聴覚、話す力を失った主人公をみるとき、それは「私」の立場からでした。自分が当事者になった姿を想像したことがありませんでした。季節もわからない、何月なのかもわからない、何かを伝えたくても言葉を発することができない。Bさんのもとを訪れるご友人も全盲の方です。「最も困難にある人の隣人になること」。外の世界との唯一の窓が共助会の使命であるという飯島さんのお話に、新たな気づきを与えられた思いです。
鈴木孝二さんのお話と資料より。世界の戦争、日本の政治の中で「改めてキリスト者として一人ひとりがどう生きるか問われている」という言葉が心に残ります。
下山田さんのお話より。お孫さんのケンカと仲直りから、なぜ世界は戦争をするのか? に大きくうなずきました。満蒙開拓団について読書会を開き、関連する場所に足を運ぶ、その姿勢はすばらしいと思いました。知らないことが多いです。なぜ戦争になってしまったのか、背景には何があるのか。戦争を止めるためにも次の戦争を起こさないためにも知ること、考えることは大切です。
角田芳子さんのお話より。中村きよみさんのお宅での聖書を読む会と、続くティータイム(お食事タイム)に、共に学び食卓を囲む豊かに心あたたまる思いでした。
片柳さんのお話より。森 有礼暗殺の後、教育勅語ができた
こと、もし森 有礼が文部大臣であり続けていたら……を伺い、歴史は人がつくるもの、今も一人ひとりが影響し合って社会がつくられているのだと思いました。
石川さんの韓国共助会のご報告より。「韓国の人たちとの関係をどのように築いていくかの基本は、先達たちが築いてくださった人格と人格との出会いの経験を私たち一人ひとりが蓄積していくことだと思います」の文章に「確かに」という思いを強く持ちます。自分に何ができるかと思いますが、植民地時代に朝鮮半島で生きた祖父母、曾祖父母を持つ私にとって自分に連なることであり向き合う責任を感じます。
分団に分かれてからは一人ずつの歩みや思いを語る場となり有意義なときでした。今回の研修会はそれぞれのお話に考えさせられ、「私はどうするの?」と問われているようです。主題の「混迷を深めるこの時代に生きる」。まさに今この時代を共に生きている、ひとりではないと励まされつつ、立つべき場を考え歩んでいきたいです。 (第二勝田保育園)