神様の導きに支えられて―東京からソウルへ、また大田へ 高 鉄雄
韓国大田にある韓南大学校法学部で学生たちを教えている高鉄雄と申します。
大学生の時まで教会に通わなかった私は軍隊を除隊した後、東京大学大学院修士1年生の時から教会に行き始めた。一緒に留学していた兄弟の導きで在日大韓基督教会所属の東京中央教会に出席した。担任牧師だった林泰鎬(イムテホ)牧師の説教が心に響いて、聖書を読んで解釈する方式が法典を読んで解釈する方式と似ていて興味を感じた。教会の方々がいつも親切にしてくださったため、留学生の立場から大きな力になり、周辺の方々のお陰様で無事博士号を取得することができた。
博士号を取った後、立教大学法学部で助教として2年半勤めた。立教大学は英国聖公会系列の大学で、韓国の尹東柱(ユンドンジュ)詩人が留学した大学だった。教員任用式を大きなオルガンのあるチャペルで行った点が印象的だった。元々は3年間勤務する予定だったが、途中で韓国の大法院(日本の最高裁判所相当)に勤務することになったため、帰国した。立教大学で予定されていた残りの一学期の授業は、指導教授である大村敦志先生が代わりに担ってくださったために、大学に迷惑をかけることなく無事帰国できた。
ソウルにある大法院では裁判研究官として4年半勤めた。大法院においてもキリスト教関連の集まりがあり、職場でも信仰生活を送る機会に恵まれた。李東遠(イドンウォン)大法官が参加する大法院キリスト信友会(1995年12月27日創立、説教:山亭峴教会金寛善-キムクヮンソン-牧師)の礼拝において総務として仕え、裁判研究官祈祷会にも参加した。主日礼拝は上道中央教会(朴ボンス委任牧師)において聖歌隊の一員として仕えた。
2021年3月から韓南大学校法学部に赴任することになった。裁判所にいたときは大学に戻れたらとお祈りしていたが、キリスト教系大学に就職でき、神様の導きには驚いた。韓南大学校は米国南長老会宣教師たちが建てた学校として、神様の言葉と宣教師たちの精神を土台にキリスト教伝統を今でも守り続けている。大学では水曜礼拝、ゲーテ個人伝道会、学科信仰共同体などで神様を信じる仲間たちと共に礼拝し、キリスト教について学んでいる。共助会については日文科の裵 貞烈先生の入会をきっかけとして知ることとなり、飯島先生、石川先生、李 相勁先生にもお会いできて大変光栄だった。学外ではキリスト教学問研究会所属若手学者の読書会において、他の学問分野の学者たちとキリスト教について意見交換をしている。
今までの生活を振り返ってみると、「全てが神様の恵み」と告白せざるを得ない。神様が大きい計画の下で私を導いてくださり、かつ周辺に善良な人々を備えてくださったため計り知れない恩恵を体験することができた。これからも聖書の言葉だけを頼りに、主を賛美しながら生きていけるようお祈りする。
(韓南大学 法学部准教授)