新しい出会いは神の摂理 宋 富子

私と共助会との出会いは新しく赴任してくださいました李相勁(イサンキョン)牧師の就任式(2021年10月10日)での出会いです。来賓の一人の飯島 信牧師の祝辞の言葉を聞き、先生の喜びのお顔は神様の聖霊に満たされ光り輝いていました。私は、祝辞を聞きながら心の中で「日本人牧師でこんなに主のみ力に満たされて輝いている牧師は初めて」と思いました。先生は終わるや急いでお帰りになるので李相勁牧師に伺い電話をかけましたが、立川教会から福島へ転任されるとのことでお忙しくお会いできませんでしたが、雑誌共助を5冊送ってくださいました。2021年の8号の飯島牧師の「教会に想う」という文章に深く共鳴しました。また7号の巻頭言の川西健登信徒の「苦しむ神」の文章を読み、故李仁夏(イインハ) 牧師の説教を懐かしく思い出して感動しました。そして何よりも深く共鳴しましたのは朴 大 信牧師、飯島 信牧師、井田 泉司祭の記載された『日韓キリスト教関係史資料 Ⅲ』(1945~2010)第2部「韓国民主化闘争と日韓連帯の動き(1965~1987)【『共助』2021年7・8号】の文章でした。

韓国の民主化闘争に強く関心を持っていた私は、松本東教会の朴 大 信牧師に、是非お会いして話したいと思い電話して、川崎から松本に会いに行きました。

何よりも2022年1号の『共助』の飯島牧師の巻頭言「創立103年目を迎えて ― 試練の地に向かった先達に想いを馳せる」の文章の最後の共助会の使命の言葉です。それは、「試練の中で重荷を負う人々を尋ね求め、その荷を分かち合いつつ、福音を宣べ伝えることにあるのではないかと思う。創立103年を迎え、聖霊による導きの中に、この歩みを力強く前進させて行きたいと願うのである」。この飯島 信共助会委員長の文章は、私の心に、魂に沁み込んで入ってきました。朴 大 信牧師も松本東教会が故李 仁 夏牧師の恩師の故和田 正牧師に牧会されていた教会でした。和田牧師の葬儀の記念文集を送付してくださいました。文集は和田 正牧師のお顔がアップで掲載され李 仁 夏牧師の写真も大きく記載されていました。李 仁 夏牧師の式辞も記載されていて、私は和田 正牧師や李 仁夏 牧師に直接お話を聞いているような錯覚を感じました。

この新しい出会いを通して在日の心と現在の状況を少し記しますことをお許しください。

教会に行くまでの私は小学校に入学するや、朝鮮人と酷い虐めにあい死ぬことばかり考えていました。中学校を卒業しても新聞も読めない学力でした。信仰を得て生き、神の愛を知り全ての価値観が変えさせられました。これからの人生は自分次第でどうにでも生きられる、人として気高く生きようと決心しました。私の使命は在日の不条理で理不尽な差別をなくして平和を作ることと確信しました。社会の差別の制度と構造は為政者が意図的に作りますが、行うのは市民や子どもです。

日本は近年の150年の侵略戦争の加害と被害の事実を教えないで隠し、歪曲した歴史を教えているようで市民や子どもは愚民化(無知)政策に気づかないまま付和雷同になります。

人間の成長には歴史教育が最も大切です。過去の真実を知り過去から学び、現在を分析して未来に希望と夢を持つことができるのです。私たちの両親の在日一世は朝鮮の国を日本が植民地支配したために朝鮮で生活できなくなり、涙をもって異国の地日本に渡ってきました。戦後79年の現在も納税は課せられていますが、永住権を持っていても参政権は付与されていません。

韓国は2006年に付与し、先進国で付与していない国は日本だけです。また大学で教員資格を取得しても公立の小中学校では常勤、非常勤講師です。

長い人権運動で市役所の事務職に採用されますが、昇格では就けないポストが多く、未だ課長は皆無です。朝鮮高校、幼稚園だけが無償化から排除されています。こんな理不尽なことがあるでしょうか。

私たちは人間です。人間の尊厳と人権が同等に尊重されるためにも差別の制度や構造を知らせるためにも地域に真実の歴史を伝えるミュージアムは是非必要です。そのためにイエス様は私を50年間試練にあわされました。

私は現在82歳で腰は少々丸くなってきましたが心は神様の聖霊を受けて燃えています。現在在日は川崎には9千人、桜本地区には4千人が住んでいます。同胞の多住地域に在日コリアン記念館を建設したいと考えましたのが31歳の時でした。信仰に立って教会で日本と朝鮮の真実の歴史を学んでからでした。

多文化共生を目指す川崎歴史ミュージアム(仮称)は、毎月第4土曜日午後2時より川崎教会3階で開催し、2月17日1時30分よりアジア会を開催します。歴史パネル展をし、マスコミにも公表いたします。

是非皆様の参加をお待ちしています。兄弟姉妹の皆様、在日の善きサマリア人になってください。宜しくお願い致します。

(在日大韓基督教会 川崎教会員)