【2023年度 京阪神共助会 信仰修養会 案内】

主題「暗がりの中、なお世界を受け継ぐ約束に照らされて」

私たちは今、ロシアのウクライナ侵攻、気候変動の深刻化など、これまで聴いたことのない不協和音の響く混乱と不安のもとにあります。しかし顧みると、進歩と繁栄と安寧の合唱のもとで、今の時代の危機がひそかに積み重なってきていたとも言えます。私たちはあまりに不注意に危機の徴を見過ごしにしてきたのかもしれません。しかし私たちはいたずらに恐怖にあおられ、絶望に陥っているだけでは済まされません。このような暗がりの中、なお「世界を受け継ぐ」(ローマ4:16)との約束に足元を照らされ、歩みを続けたいと切に願います。

そのような思いで、今年度の京阪神基督教共助会の信仰修養会では、時代の暗がりの中で、なお手探りで歩み続けた先達の思索と信仰の足跡をたどりたいと思います。その先達の一人として、長くフランスにとどまり、1960年代の終わりに日本に帰るようになった森有正について片柳榮一さんに語っていただきます。森有正は、日本が高度経済成長の登り口にさしかかったこの時代に「胸を搔きむしりたくなるようなことが日本で起こり、そして進行している」と呻きの声をあげました。もう一人として、ナチスに抵抗し、多くの人々を励まし続けたドイツの詩人、思想家ラインホルト・シュナイダーについて下村喜八さんに語っていただきます。下村さんは最近『苦悩への畏敬 ― ラインホルト・シュナイダーと共に』と題するシュナイダーについてのご著書を出されました。シュナイダーの信仰は、ナチス支配の過酷な時代にはなお、明るい色調を持ち、未来に開かれていたが、戦後のいわば、平和の時代に、むしろ深い罪の連鎖による人類と地球の破局を感じて「彼は人類の未来に、『核によるホロコースト』を見た」と下村さんは語っておられます。これらの先達の苦悶の歩みの跡をたどり、私たちも自らの歩みを正されたいと願います。

2023年京阪神基督教共助会信仰修養会
主題: 「暗がりの中、なお世界を受け継ぐ約束に照らされて」
日時: 2023年11月22日(水) – 23日(木、祝日)
場所: 日本基督教団 北白川教会  〒606-8266京都市左京区北白川久保田町3-3

プログラム

22日(水)

受付: 5時半より
開会礼拝: 6時半
主題講演(1): 7時半 – 9時, 講師: 片柳榮一
題名: 「今、森有正が私たちに問いかけていること」

23日(木)
早天祈祷会: 7時, 場所: 吉田山
主題講演(2): 9時 – 10時半, 講師: 下村喜八
題名: 「晩年のR・シュナイダーにおける信仰と懐疑 ― 信仰は懐疑を養い、懐疑は信仰を養う ―」
質疑応答: 10時半 – 11時半
昼食: 12時
懇談会: 13時 – 15時
閉会祈祷会: 15時 – 15時半


参加希望者は11月15日までに、以下の情報を記載して、
〒606-8266
京都市左京区北白川久保田町3-3
北白川教会内 京阪神共助会信仰修養会係までお申し込みください:

参加形態(全参加または部分参加)
参加費: 全参加 – 三千円(学生半額), 部分参加 – 千円
宿泊は各自で手配をお願い致しますが、多少宿泊施設を確保しておきますので、手配の難しい方はお早めにお申し込みくだされば都合を付けます。
・連絡先 TEL.北白川教会(075)722―1340あるいは片柳榮一(075)922―4221
  メールアドレス ekatayan@cpost.plala.or.jp