第21回 新潟共助会報告 報告者:山田 新人
・時 2024年10月19日(土)午前11時から午後2時半
・所 新潟教会(日本基督教団)2階礼拝堂 ・出席者
21名。
【第Ⅰ部】(午前11時~正午)司会:長嶺富美江
・賛美 讃美歌21 458番「信仰こそ旅路を」
・聖書 エフェソの信徒への手紙2章14~16節
・発題「赦しと和解 ― 夏期信仰修養会に出席して、考えたこと」
・担当 鈴木孝二(日本同盟基督教団 北新潟キリスト教会員)
今回の発題者である鈴木孝二さんが、去る8月7日(水)~9日(金)にかけて開催された「共助会夏期信仰修養会」に参加しての、報告と感想を発表した。また『共助』(2024第5号)で伝えられた「第8回韓日共助会修練会」での実りに触れながら、基督教共助会における韓国と日本の関りについても、歴史を振り返りつつ解説があった。加えて、山田新人が夏期信仰修養会に参加した一人として、感想を短く述べた。
「鈴木孝二 発題要旨」
1 基督教共助会(1919年創立→105年)と夏期信仰修養会
(1)戦前、戦中、戦後の活動 ― 共助会の中心集会、生命線
①コロナ禍で集会出来ず ― 「紙上修養会」を実施・人数制限など
②主題テーマが、キリスト者の指針となり、キリスト教会にも影響
(2)韓国、台湾のキリスト者との交流、韓国キリスト教共助会の設立
①和田正牧師、澤正彦神学生の訪韓、謝罪とその後(共助第5号巻頭言)
②主にある友情の絆、入会者の輩出、欠席者へのハガキ書き
2 2024年の夏期信仰修養会のテーマ
・「赦しと和解 ― この最も困難な時代に、しかし成し遂げねばならない課題」
①今年の修養会、第8回韓日共助会修練会(3月18日―20日)の熱気が継続、テーマのベースとなっている。
② 裵貞烈(べチョンヨル)先生(韓南大学教授)も出席して交流。プログラムの中で再度報告集会が設定―共助第6号を参照。
3 大きな中心テーマ「イスラエル・パレスチナ問題」をめぐって
(1)高橋哲哉氏の発題 ― イスラエルの建国とパレスチナ難民、入植地の問題など
(2)片柳榮一氏の発題 ― シオニズムという問題
(3)小友聡牧師による聖書研究 ヨセフ物語創世記45章について
「山田新人 発表の要約」
開会礼拝でお話しされたアジア学院の荒川朋子校長は、「人間の無責任な生活の結果、自然破壊や新型ウイルスの発生を許してしまった。神の意志に反し、人間がねじ曲げてしまったこの世界と和解し、あるべき姿に修正して行くには、世界のトップリーダーではなく最も地位が低いとされる農民が主体となって崇高な務めを担うべきだ。生命の源である非暴力な土に仕えながら、他の人のために食べ物をつくり、未来へ持続可能な農業を紡いで行く。その為のリーダーを育てて行くことが、アジア学院の使命だ」と語っておられました。
主題講演を担当された朴 大 信牧師は講演の中で、主の祈りの「我らに罪をおかすものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ」という部分に躓いたという話をされました。「自分は人の罪を赦すことができない。そんな自分がどうやってこの主の祈りのように、神さまに祈ることができようか」という〝問い〟というか、〝矛盾〟なのでしょうか、ご自分の中で腑に落ちない悩みを吐露されていました。これについては質疑応答の場面で様々な発言がありましたが、誰の意見にも戸惑いがあり、皆さんが納得できるような答えには至らなかったという印象です。各自が今後も考えるべき課題だと思いました。
哲学者の高橋哲哉先生がシンポジウムでお話しされた一部を、私なりに要約させていただきます。「現在、欧米各国で政治的にトレンドとなっているナショナリズム、移民排斥という右派の考え方と、反イスラムを唱えるイスラエルの立場が合致している状況がある。今起きているイスラエルでの戦争は、軍備の提供などを通してイスラエルを支援している西側諸国が行っている戦争という側面がある」と私は受け取りました。
また、高橋先生は「全ての生命は無条件に平等だ」と言って
います。先生はクリスチャンではないそうで、あくまでもニュートラルな立場で発言されています。そして死刑制度にも反対の立場を取られています。そういった話を聴いていて私は、それはもう信仰なのではないかと思いました。私の目には高橋先生が敬虔なクリスチャンとしか見えませんでした。
【第Ⅱ部】(正午~2時半)
・お弁当ランチと國分眞三さんによる古本の販売
・7名ずつの3グループに分かれ、自己紹介と発題に対しての討議
・全体会議に戻り、各グループ代表者からの報告
・会計報告
新潟共助会の方々は話が上手な方が多く、グループディスカッションでは自己紹介でたくさんの時間を使ってしまいます。いつも時間が無くなり発題に対する話し合いを充分にできませんが、回を重ねるごとにそれぞれが顔なじみになり、そういう意味では新潟共助会の歩みはこれからなのかもしれません。いずれにしてもこの地方都市新潟で、会派を超え、こうして集まりを持てることに感謝します。 (新潟愛泉伝道所教会員)